2005-01-01から1年間の記事一覧

『戦後 日本共産党私記』

安東仁兵衛著。この本を読んでいると、共産党シンパの脆弱さが明確に分かるのだが、それはやはり左翼の人間が論理を過剰に信じていて、論理では割り切れない現実の複雑さに対して、まるで感性を失っているためなのである。つまり、自分の目の前の現実から出…

右翼宣言?

サーヤさんのネタの続きというわけではないが、スパを立ち読みしていたら、坪内氏が右翼と左翼の定義について話していたので、それについて書く。 正確には憶えていないが、坪内氏によると、右翼はデジタル式に黒か白かで感情を割り切ることができない、とい…

サーヤの結婚式・・・

でしたが、今日はとくに書くことなし。 それにしても、地味婚でしたな。

英国病

今日読んだ本についてはコメントせず、おととい再読した本についてコメントする。森嶋通夫『イギリスと日本』(岩波新書、1977)。 イギリスの没落と日本の成長に、教育がどのように関与したかについて論じている。日本の方は、常識的な見方だが、語り口が面…

「トスカ」

先週、1000円でゲットしたので、最近よく聴いている。もともとが深刻な話なので仕方がないが、深刻ぶったメロディーにあえて感情移入してみると、なんとなく素敵な気分になる。プッチーニ:トスカ 全曲アーティスト: カラス(マリア),ステファノ(ジュゼッペ・…

岸と竹内

岩見隆夫『岸信介』(人物文庫、学陽書房)を読んでいると、久野収の以下のような証言を発見した。 「ちょうどその頃、岸が安保反対派のインテリに『一席を設けお話を承りたい』と呼び掛けがありました。これに応じたのは、私が知ってる限りでは永井道雄(当…

『法学史』

ドイツ法学(村上先生担当分)のところを中心に読んでみたが、面白い。ローマ法とゲルマン法の二大対立があり、ドイツ法学は基本的に15世紀後半以来ローマ法を「包括的継受」して進展してきたわけであるが、とりわけ興味深かったのは以下のような整理である…

N響に行く

気分転換にN響にいく。チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、ブラームス「交響曲第2番」。指揮者、マティアス・バーメルト。ヴァイオリン、ヴィヴィアン・ハーグナー。 まあまあ普通の演奏だった。チャイコフスキーのは、メロディーの流れを聴かせるタ…

『マラソン』

今日も朝から論文よんで、ゼミでしゃべりまくったら、非常につかれた。やはり自分の専門テーマ周辺で、恣意的なデータ挙示、穴だらけの論理展開をやらかされると、いちいち反対せざるをえないので、勉強にもなるが、疲労もする。その後、喫茶店で共産党の勉…

プラグマティズム

プラグマティズムは超越的な真理の存在を否定する。なぜなら、われわれが表象しうるもののみが、われわれにとっての実在である以上、われわれの表象をこえた世界を、われわれは認識することができないからである。カントはそれをふまえたうえで、超越論的な…

あ〜あ

今日はアタマ使いすぎて、疲れきった。知恵熱が発生した。 CDウォークマンがつぶれた。これはまさしく標準語でいうところの「つぶれた」で、乾電池の電源装置がグシャッとへしゃげた。どこかで踏んづけたのだろうか。あぁ、乾電池派から充電派に転向せねば。…

基本的なりくつ

だるい。けど、考えたことはすぐに消え去るので、書き留めておく。 原則的に、大衆は「あるべき社会理念」など求めない。そんなものがなくても立派に生きていけるのが、まっとうな人間である。 とはいえ例外がある。それまでの社会像が崩壊したときには、大…

『愛染かつら』

日本映画史に輝くメロドラマの名作で、看護婦の高石かつ枝(田中)と病院の若い院長・津村浩三(上原)の“すれ違い”恋愛物語。『愛染かつら』(1938年)の大ヒットを受けて、1939年に「続編」と「完結編」が製作された。現存プリントは戦後の再映時に3篇を…

つかれた

つかれた。 もう一方のブログをためしてみたが、いまいちようわからん。 わからんことというのは、世の中に満ちているものだ。 困る。

日本共産党

沖浦和光(浪花高、文学部)の回想。 はじめて左翼運動の実体に触れたのは戦後二ヶ月余が経った徳田球一などの出獄組の解放大会。社会科の時間を休講にしてもらって、教師も行かないかというわけで、大阪の中之島公会堂へ行った。まあ、見に行ったわけだ。十…

寒かったり、暖かかったり

きだみのるは春になると情緒不安定になると書いていたが、気温が日々変動するとどうしても身体にも影響するので、気をつけなければならない。 今日、気が向いたので、クライバーのベートーベン第5番、第7番を聴いてみたが、やはり駄目だった。中学生の頃、…

吉田ドクトリンの真相

普通、吉田ドクトリンの証拠として引用される言説は、宮澤喜一『東京・ワシントンの密談』(1956)の160ページの記述である。 再軍備などというものは当面とうていできもせず、また現在国民はやる気もない。かと言って政府が音頭をとって無理強いする筋のこ…

ホンモノの思想とは?

近ごろ、整理とか掃除とかをしたい気分。 共産党とか社会党とかの戦後史を本格的に勉強しようと思う。イデオロギーが有効だった社会的条件というのはもちろん冷戦体制だったわけだが、ほんらい理想の社会を構想し、それが実現しうる道すじを見出すというのは…

憲法改正論議

朝ナマで憲法改正の議論をやっている。フロ掃除をしながらチラ見する程度であるが、基本的にくだらない。変える理由も、変えない理由も、どちらもイデオロギー的だからだ。原則的に、改正するのは、プラグマティックな観点からでよい。プラグマティックな観…

金本知憲

NHKのドキュメント。阪神タイガースの金本に迫る。ほんと、金本はえらいなと思った。日本シリーズは金本の不調もあって負けたわけだが、あれだけ努力している人を非難することはできない。8月の満塁ホームランのときも、ものすごく体調が悪かったそうだ。な…

教科書のカラクリ

『論座』(2005年11月号)。この号は、なかなか読みごたえのある記事が多いが、「教科書のカラクリ 業界関係者が明かす舞台裏」に注目してみる。教科書会社の関係者、教科書執筆者らによる座談会を、苅谷先生が以下のように整理している。 検定に合格できな…

きだみのる『道徳を否む者』(1955)

古本屋で300円で売られていたので、思わず購入。パラパラと読みはじめてみたら、思わず一気に読み終えてしまった。傑作だ。この表現力は新鮮である。 きだみのる(山田吉彦、1895―1975)の本は、『気違い部落周遊紀行』『にっぽん部落』などを持っているが、…

国民学校について

先日、神保町の「ろしあ亭」で、隣の女性二人組が残したご飯に文句をつけている初老の男性がいて、連れの妻とおぼしき女性が、「すみませんね、この人が小学校だったときには、食べるものが何にもなかったの」とフォローすると、その男性は、「国民学校!」…

『チワワちゃん』

岡崎京子。感情移入というのではないけれど、たとえば次のような文句にみられる「強迫性」に、私はまずは現代的関心を抱く。 ねえ?きっとみんな退屈しているんだよ/何かに夢中になりたくて必死なんだよ/みんな何かを好きになりたくて たまんないんだよ/…

『エラスムス』(1924)

読了。ホイジンガ(1872−1945)の著作ゆえ、当たり前のことかもしれないが、名著である。エラスムス(1469?−1536)の複雑で繊細な人間性を丹念に描き出しつつ、その思想の射程、社会への影響などを歴史の大状況のなかに位置づけている。訳が良いのか、雄弁…

力を出し切った

戦争が終了。疲れきりました。 ホイジンガ『エラスムス』、1400円→250円。 パトリック・バルビエ『カストラートの歴史』、1400円→250円。 子安宣邦『「事件」としての徂徠学』、1100円→250円。 松本健一『われに万古の心あり』、1150円→400円。 許光俊編『究…

この街は(パート2)

この街は 戦場だから 男は みんな 傷を負った戦士 10戦したとするなら、7勝3敗くらいだろうか。 許光俊『オペラに連れてって!完全版』、1600円→500円。 キンモンス『立身出世の社会史』、4800円(4944円)→500円(!)。 石田謙『日本庶民教育史』、700…

成瀬巳喜男『乱れる』(1964)

またしても傑作。 乱れる(98分・35mm・白黒) 夫の遺した酒屋を20年も守ってきた寡婦(高峰)が、帰郷した義弟(加山)に恋心を打ち明けられて動揺し、家を出てゆく。衝撃のラストを含めて見どころが多いが、とりわけ夜行列車のシーンの、義弟が席を変えながら徐…

この街は

この街は 戦場だから 男は みんな 傷を負った 戦士 藤森照信『明治の東京計画』(岩波現代文庫)、1200円→300円。 山口昌男『「挫折」の昭和史(下)』(岩波現代文庫)、1300円→300円。 望田・橋本ほか『ネイションとナショナリズムの教育社会史』、3800円→…

雑用

雑用、うっとうしいな。 今日は、5行おきに×印をつけざるをえないクソ論文を読んで、体力を消耗した。ほんと、理屈をこねるバカほど、やっかいなものはない。 いや、違った。「人がバカにみえるときは、自分がバカかもしれない」のでしたな。