2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

神保町

久々に。資料を1600円分くらい買い込む。園田『忘年会』を読んだ。

マキノ雅弘『待って居た男』(1942)

名作。 公開:1942年 監督:マキノ雅弘 主演:長谷川一夫、山田五十鈴、高峰秀子、榎本健一、藤原鶏太、山根寿子、沢村貞子 南伊豆の温泉旅館・柊屋を舞台に次々と起こる怪事件の数々。丁度骨休めにきていた一夫と五十鈴の仲むつまじいゴールデンコンビが、…

マキノ雅弘『次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊』(1954)

再鑑賞。やはり感動。 公開:1954年 監督:マキノ雅弘 主演:森繁久弥、小堀明男、越路吹雪、河津清三郎、田崎潤、小泉博、志村喬、田中春男 喧嘩一筋に生きて来た命知らずの石松が「笑っていても泣いているようなうるんだ瞳」をした夕顔という女郎に惚れて…

黒澤明『酔いどれ天使』(1948)

(98分・35mm・白黒)焼け跡の混乱の中、重度の結核にかかったやくざ(三船)と、男を救い出そうとする呑んべえの貧乏医者(志村)の交流を描いた黒澤明の名作。撮影にあたっては、東宝砧撮影所に作られていた闇市のセットを駆使、やくざとその兄貴分(山本…

映画ブログ化?

渋谷のブックファーストで映画の棚を眺めていたら、映画関係の本を本格的に読みたくなってきた。最近のこのブログも妙に映画に偏っているけど、映画を語るための言葉がどうも貧困に感じられる。所詮は素人の感想だから良いっちゃ良いんだけれど、もうちょっ…

「いなせな稼業ということが、やくざの稼業なんですね」

「やくざの稼業をやっていても、やくざの生活はするな、というのがやくざの本道ではないかと思うんです。」(山田宏一『次郎長三国志――マキノ雅弘の世界』(ワイズ出版)) これは、ぼくの「やくざ」の定義なんです。ぼくはやくざをかなりよく知っていますけ…

マキノ雅弘『次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り』(1955)

公開:1955年 監督:マキノ雅弘 主演:河津清三郎、北原三枝、森繁久弥、三島耕、田中春男、石黒達也、三島雅夫 東宝の「次郎長三国志」シリーズののち、マキノが日活で監督した次郎長もの。各人のエピソードが群像劇風に語られながら、物語は次郎長一家と黒…

田舎

内田吐夢『大菩薩峠 完結篇』(1959)

大傑作。必見! (105分・35mm・カラー)旗本に飼われて夜の街の辻斬りとなった龍之助が、兄の仇を討とうとする兵馬(錦之助)と最後の対決に臨む第3部。構図の工夫やモンタージュのキレの良さよりも、ショットごとの濃密な空気作りに賭けた内田の演出意図を…

内田吐夢『大菩薩峠 第二部』(1958)

良い。「ぼうや、カアチャンの処へ戻っておいで」。 (105分・35mm・カラー)病身から回復した龍之助が、乱暴な旗本の悪事をきっかけに、再び剣鬼としての魔性を目覚めさせる第2部。この3部作は内田にとって初の色彩シネマスコープ作品となったが、画面をロ…

内田吐夢『大菩薩峠』(1957)

中野翠『会いたかった人、曲者天国』(文春文庫)でも中里介山の事が取り上げられていたので、妙に期待を膨らませてフィルムセンターへ。 (119分・35mm・カラー)大河内傳次郎主演による日活作品(1935年)、片岡千恵蔵主演・渡辺邦男監督による東映作品(1…

McCOY TYNER

blue note tokyoにマッコイ・タイナーを聴きにいった。ジェラルド・キャノン(b)、エリック・グラヴァット(ds)。隣の人のハナ歌と足踏みがうるさいよ、と思ったら、それがマッコイ・タイナーだった、というような至近の席。 素晴らしいの一言、値段は多少…

ジム・ビジー

目まぐるしい一日。色んなことが降って湧いた。 嗚呼やっぱり新自由主義なんだな、ウィナー・テイクス・オールなんだな、と思った。 神田に行きたいが、行く暇があまりない。明日もやることがある。 大人でえらいな、自分はまだまだ社会性が足りないな、と思…

キチガイを面白おかしく報道するマスコミ

2007-02-06で紹介されているYoutube画像はたしかにオモシロ画像なんだけど、こういうのを放送するマスコミって、ちょっと不真面目なんじゃないかとマジメに憤りをおぼえた。こんなキチガイをつかまえて社会問題ネタでもあるまい。面白ければなんでも良いのか…

今年の目標が定まる

正月に今年の目標を考えようと思ってから、結局一ヶ月以上が経ってしまった。でもようやく今日決定したので、ここに書いておきます。 フットワークを軽くする。あんまり考えすぎないで、野次馬根性を発揮する。 現場の実態や事実関係を重視して研究を進める…

買った本

エドウィン・アーノルドのように、日本の庶民世界ののどかさ気楽さにぞっこん惚れこんだ人は、西欧的な心の垣根の高さに疲れた人だった。しかし、心の垣根は人を疲れさせるだけではなかった。それが高いということは、個であることによって、感情と思考と表…

蘇我蝦夷と蘇我入鹿

NHK「飛鳥発掘が覆す大化改新」の再放送を見る。大化の改新はじつは反動的だった、という話。 蘇我氏は血縁的にも大陸とのつながりがつよく開明派であった。明日香村では東アジアの国際情勢を見据えつつ、天皇を防御する軍事的備えを担っていたという。他…

マキノ雅弘『次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊』(1954)

『石松開眼』。比類なき最高傑作。 公開:1954年 監督:マキノ雅弘 主演:森繁久弥、小堀明男、越路吹雪、河津清三郎、田崎潤、小泉博、志村喬、田中春男 喧嘩一筋に生きて来た命知らずの石松が「笑っていても泣いているようなうるんだ瞳」をした夕顔という…

マキノ雅弘『次郎長三国志 第七部 初祝い清水港』(1954)

清水のいつもの場面から始まる。ほっとする。 公開:1954年 監督:マキノ雅弘 主演:小堀明男、河津清三郎、森繁久彌、久慈あさみ、越路吹雪、田崎潤、田中春男、小泉博 母親のない喜代蔵少年がお仲さんを慕い、自分のおっかさんになってくれとせがむ。一方…

マキノ雅弘『阿片戦争』(1942)

イギリス人も中国人も日本語をしゃべる。しかし溝口の『楊貴妃』とは比較にならない出来。娯楽作品に徹しているからだろう。 公開:1942年 監督:マキノ雅弘 主演:市川猿之介、原節子、高峰秀子、河津清三郎、小杉義男、清川荘司、菅井一郎 D・W・グリフィ…

広沢虎造

そんなに感情の起伏の激しいタイプではないのだけれど、下に書いた次第で、感動のあまり、廣澤虎造のCDを買ってしまった。タワレコにはこの巻しかなかったので。いまこれを聴きながら書いてます。日本の伝統芸能〈浪曲〉清水次郎長伝 石松金比等羅代参,石…

マキノ雅弘『続清水港』(1940)

本当は2作だけ観て帰る予定が、第六部のあまりの救われなさに、帰るに帰れなかった。というわけで観た本作が、大傑作。 公開:1940年 監督:マキノ雅弘 主演:片岡千恵蔵、広沢虎造、沢村国太郎、沢村晃夫、瀬川路三郎、香川良介、志村喬 「石松を殺すな!…

マキノ雅弘『次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家』(1953)

ただただ泣ける一作。哀しすぎる大傑作。 公開:1953年 監督:マキノ雅弘 主演:小堀明男、河津清三郎、田崎潤、森繁久弥、越路吹雪、久慈あさみ、小泉博、小堀誠 猿屋勘助を叩き斬って凶状旅に出た次郎長一家は、かつて急場を救ってやった力士の八尾ヶ岳の…

マキノ雅弘『次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路』(1953)

大傑作。江尻の大熊(澤村國太郎)が立川談春に激似!! 公開:1953年 監督:マキノ雅弘 主演:小堀明男、河津清三郎、森繁久彌、田崎潤、小泉博、久慈あさみ、若山セツ子、加東大介 清水港は秋祭り。叶わぬ恋にぐずついて酔ってうたうは黒田節。お千ちゃんの…

良い一日

渋谷に行き、ブックファーストで竹中労『鞍馬天狗のおじさんは 聞書アラカン一代』(ちくま文庫)を買う。何年ぶりだろうここで本買うのは、と思い、うれしくなる。喫茶店で独り本を読んでから、シネマヴェーラへ。『次郎長三国志』『続清水港』のいずれも傑…

須川榮三『君も出世ができる』(1964)

(100分・35mm・カラー)日本の音楽映画史に残る秀作として、再評価の機運も高い本格的な和製ミュージカル。須川栄三監督らは事前に本場アメリカのミュージカルを視察して撮影に臨み、とりわけビル街に400名を動員したというサラリーマンのシーンが圧巻であ…

本と音楽の紹介

許光俊『オレのクラシック』(青弓社)、やはり好き。弟が結婚式でトスカニーニのBGMをかけた逸話に笑った。中野翠『会いたかった人、曲者天国』(文春文庫)は必読。淡島寒月の父、椿岳の辞世の句が、「今まではさまざまの事してみたが 死んでみるのはこ…

『昭和天皇伝説』

松本健一、1992→2006、朝日文庫。 茨城県の国体で、血盟団事件に参加したテロリスト菱沼五郎と並び、写真に写る昭和天皇。真崎甚三郎の息子真崎秀樹を通訳官とした昭和天皇。北一輝、出口王仁三郎、三島由紀夫、近衛文麿、坂口安吾らを、昭和天皇がいかにま…

『被差別部落の青春』

角岡伸彦、1999→2003、講談社文庫。好著。 2002年3月、同和対策事業の特別措置法が期限切れ失効したそうだが、同和対策などを通じて、もはや部落差別や部落意識が希薄化しつつあるなか、それでも残存する差別意識を背景に、自分のアイデンティティーとしての…

イメージ

自分が死んで、腐乱死体になって、臭気を放っている場面を、最近ときどき思い浮かべる。そこまで想像すると、自分がたしかに物質性を帯びていることが、明瞭に意識できる。そういう物質としての自分に、妙なリアリティーを感じるのだが、それは例えば、うん…