2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

川島雄三『銀座二十四帖』(1955)

(117分・35mm・白黒)少女時代に肖像画を描いてくれた画家との再会を待つ主人公(月丘)は、行方知れずの夫を持ちながらも、銀座の花屋経営者コニー(三橋)に惹かれてゆく。物語よりは銀座の風景描写に力を入れたと川島本人が述懐するほど見事に都会が描写…

ジョン・カサヴェテス『アメリカの影』(1961)

『SHADOWS』 (81分・35mm・白黒)ニューヨーク・インディペンデントの雄、俳優としても知られるカサヴェテスの初監督作。C・ミンガスらによる即興演奏、脚本を使わない演出、街頭での大胆なロケーション撮影により、若き混血ニューヨーカーたちの生々しい感…

アルフレッド・ヒッチコック『レベッカ』(1940)

『REBECCA』 (129分・35mm・白黒)大恋愛の末に後妻として富豪の家に嫁いだ女が、その館に先妻レベッカの影を色濃く感じ、そして不気味な家政婦の存在に言い知れぬ恐怖を覚える。ヒッチコックがハリウッドに移って初めて撮った作品だが、英国上流階級の陰鬱…

読書系ブログの宿命について

ところで昨日電車の中で、わりと高尚な時事ネタと趣味のクラシックネタを話している人がいたのだが、よく見てみると、その人は独りでじゃべっていたのだった。 変な人だと思ったけど、よく考えると、ブロガーも同じだなと。 そもそも読書ブログは、読書を通…

寝不足に耐えて、ずっと作業。眠い。 猪瀬直樹はともかく、宮崎あおいが結婚だって。びっくり。

川島雄三『昨日と明日の間』(1954)

(120分・35mm・白黒)公私にわたるパートナー(淡島)がありながら、別の不倫に悩む美人妻(月丘)にも心惹かれる男(鶴田)を描いたメロドラマ。二人の異なる女性の魅力を井上靖は抽象的に描いたため、映画に具体化するのは困難だったが、面白く描くことに…

鹿島茂の吉本隆明論

本屋で貰った「月刊百科」6月号(平凡社のPR誌)、鹿島茂「吉本隆明1968」の連載を読む。吉本の転向論について。吉本によると、転向には2パターンがあるらしい。第一のタイプは、「思考法の中に封建的な意識の残像があるがゆえに、かえって、日本の社会を理…

映画を見ようか迷ったんだけど、結局やめにした。古本のカンを維持するため、久々に神保町に行く。古書モールですべての棚を丹念にチェック。こういう勉強も大切か。 神田で鹿島茂が歩いていた。一緒にいる人に「・・・(○○は)腹が座ってねぇんだよ・・・」と言っ…

カリキュラム内容の再検討

昨日の話題に関して、Hiroumix氏(「融通空間」参照のこと)が補足してくれている。私は今日的状況の大まかな見取り図を描いたつもりだったが、確かに「カリキュラム内容の見直し」という具体的かつ効果的な処方箋は、さらに考察される余地がある。既存のシ…

社保庁

リキを入れ過ぎる余り、その後暫く鬱々とした気分になる、という失敗を繰り返すまいと、今日は力を抜いて、それなりの満足を得た。 ところで、社会保険庁問題は、参院選に相当深刻な影響を与えそうだ。私は安部政権は勝ち抜けるのではと危惧していたのだが、…

一昨年度よりもレベルの劣る高校で教壇に立つHiroumix氏とドトールにて談話。いやはや大変そうだ。 学力の低い生徒に世界史を教えるのは、教師と生徒の双方にとって不利益でしかない、という彼の話であったが、アカデミックな近代知を学習する場として、過半…

小沼勝『さすらいの恋人 ―眩暈―』(1978)

公開:1978年 監督:小沼勝 主演:北見俊之、小川恵、高橋明、飛鳥裕子、吉川遊土、織田俊彦、浜口竜哉、草薙良一、中川明、大矢甫、八代康二、雪丘恵介、小泉郁之助 人気のない公園の噴水に打たれながら一人佇む女・京子。彼女の様子にただならぬものを感じ…

藤田敏八『もっとしなやかに もっとしたたかに』(1979)

公開:1979年 監督:藤田敏八 主演:奥田瑛二、高沢順子、森下愛子、風間杜夫、真木洋子、加藤嘉、赤座美代子、浜口竜哉、河原崎長一郎、根岸明美、蟹江敬三、高橋明、島村謙次 24歳の若さで妻には逃げられ、カメラマンになるという自分の夢も捨て、運送業…

昼、雨とともに、雷。ものすごく近かった。雷って、落ちたら、どうなるの?どうもならない場合って、あるんでしょうか? 今日は一日何もしないことに決める。ようやく頭がすっきりして、元気が湧いてきたような気分がする。 ちょっとだけ勉強してから、古本…

今日も調子が悪い。 帰り道の地下鉄で隣に汚らしいおじさんが座ってきた。携帯画面を凝視しているのでチラ見してみたら、「忘れないでね、世間的に私は人妻なのだから」というフレーズが目に飛び込んできた。安物の携帯エロ小説でも読んでいるのではないかと…

神代辰巳『恋人たちは濡れた』(1973)

公開:1973年 監督:神代辰巳 主演:中川梨絵、絵沢萠子、薊千露、大江徹、堀弘一、清水国雄、高橋明 5年振りに故郷の土を踏み、映画館のフィルム運びを仕事にする克は、ひょんなことからかつての同級生・光夫とそのガールフレンド洋子に出会う。名を捨て過…

小原宏裕『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』(1978)

公開:1978年 監督:小原宏裕 主演:竹田かほり、亜湖、高橋淳、野上裕二、桑崎晃男、森川麻美、清水国雄、佐々木梨里、片桐夕子、内田裕也、遠山牛、大竹智子、一谷伸江、関悦子、岸部シロー、橋本治 明るく、性にもめっぽう開放的なレナ。対照的に何事にも…

9261ポイント。

朝起きて調子は最悪。幸い昼まで寝ていられる身分なので二度寝するものの、調子ますます悪く立ち上がれず。とりあえず最低限の作業をこなしに出かけ、その後、上野へ。上野に行ってからは、だいぶ調子が戻ってきた。「じゅらく」という食堂屋で昭和を味わう…

特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ — 天才の実像」

The Mind of Leonardo - The Universal Genius at Work、東京国立博物館。レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452−1519)という人が物凄く良く分かった。マキャベリ(1469−1527)と同時代人のこの人の芸術は、普通に見ていたのでは到底理解することができない。 だ…

今日のムネオ日記より。今こそ役人を恫喝せよ、だって。 ・・・私もかつて、国民の目線で仕事する様に役人を指導すれば、恫喝と言われた。国民の代表たる政治家と役人の癒着と言って良い、社会保険庁の不祥事である。役人の行動をチェックするのが、国民から選…

調子悪い。立ちくらみ。ぼうっとする。 イギリス思想叢書3『ホッブズ』を読みながら考えた。政治思想の新書レベルの入門書って、少ないと思いませんか?最近つくづく思うのだが、哲学史を勉強するくらいなら、政治思想史を勉強したほうが、政治も哲学も歴史…

イサベル・コイシェ『あなたになら言える秘密のこと』(2005)

『THE SECRET LIFE OF WORDS』2005年 スペイン映画 英語 1時間54分 監督:イサベル・コイシェ 出演:サラ・ポーリー、ティム・ロビンス、ハビエル・カマラ 配給:松竹 ハンナは誰にも言えない秘密を抱え、職場と一人暮らしの部屋…

ビル・エヴァンスでメランコる

ちょっぴりハードな作業が続いたので、今日は早めに帰って休むことにした。あまり頑張りすぎると反動が来るので適宜休息を取らなければならない。帰り道、妙にビル・エヴァンスが聴きたくなったので、ふとんの上に寝転がって、何枚かまとめて聴いた。 村上春…

とうとう来た。 新党日本・田中代表が参院選出馬表明、有田氏擁立も発表 6月4日 読売新聞 新党日本代表の田中康夫前長野県知事(51)は4日午前、都内のホテルで記者会見し、夏の参院比例選に出馬すると表明した。/また、ジャーナリストの有田芳生氏(5…

田中登『実録阿部定』(1975)

公開:1975年 監督:田中登 主演:宮下順子、江角英明、坂本長利、橘田良江、千草蘭、大谷木洋子、水木京一、五條博、小泉郁之助、久松洪介、庄司三郎、花柳幻舟 時は昭和11年。社会を震撼させた、あの安部定事件を完全映画化。血文字で書かれた「定、吉二…

藤田敏八『エロスは甘き香り』(1973)

公開:1973年 監督:藤田敏八 主演:伊佐山ひろ子、桃井かおり、川村真樹、高橋長英、山谷初男、五條博、谷本一、橘田良江 デザイナーの悦子、自称フリーカメラマンの浩一、ホステスの雪絵、劇画家志望の昭。4人は四畳半で共同生活を送るようになる。やがて…

ジャズCDなど

今日はフィルムセンターに『赤い殺意』を観にいこうと思っていたのだが、ギリギリ間に合うかどうかわからない時間になったため、シネマヴェーラに行ったのだった。『赤線玉の井 ぬけられます』を観られたのは収穫だった。なおシネマヴェーラで「CDあげます」…

神代辰巳『赤線玉の井 ぬけられます』(1974)

公開:1974年 監督:神代辰巳 主演:宮下順子、蟹江敬三、清水国雄、前野霜一郎、河野弘、丘奈保美、織田俊彦、五条博 昭和33年の新春を迎えて、いよいよ売春防止法が施行される東京「玉の井」に働く売春婦たちの哀歓を描く。刺青をしている男にめっぽう弱い…

澤田幸弘『暴行!』(1976)

公開:1976年 監督:澤田幸弘 主演:梢ひとみ、益富信孝、高橋明、牧れいか、庄司三郎、椎名健治、宮井えりな 季節はずれの人影もまばらな避暑地のスナック。妻に逃げられた男・黒木。ある激しい雨の晩、暴力団の抗争に巻き込まれ妻・京子が戻ってくる。そこ…